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男が女性を殺害していく曽野綾子さんの小説「天上の青」が浮かんでくる青さでした。月周回衛星「かぐや」がハイビジョンカメラで撮影した地球の姿です。漆黒の闇が青い地球をさらに引き立てています。

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宇宙から見るとこんなにも青く美しいんですね。同じ視点で見たくなりました。

「天上の青」はヘブンリーブルーと呼ばれる西洋朝顔です。まるで宇宙からの地球を表したような名前で、「かぐや」のとらえた地球の青さにふさわしいと思いました。でもその地球では、環境破壊が進み、国と国との争いは絶えず、来る日も来る日も殺伐とした事件が起きています。地球は病んでいるのでしょうか。地球の未来はどうなるのでしょう。

手塚治虫さんの漫画「ブラックジャック」で、ブラックジャックが少年時代の友を捜す話があります。友も同じように医者になっていました。ただし彼の患者は地球です。そしてこんなメッセージを送ります。「いま、地球は病気なんだ」「地球は死んでしまう」と。

環境破壊がクローズアップされていますが、手塚さんはずっと前からこの問題に警鐘を鳴らしていたんですね。もっと足元の地球に愛情を注がないと、と意を新たにしているところです。環境破壊に地球が真っ青になってもらっては取り返しがつきません。

ここ数日の間に2回、宮崎空港に行きました。いやー驚きました。オアシス広場がごった返していて、まるで夏祭りの出店を歩いている気持ちになりました。

並んでいたのは宮崎の特産品でした。焼酎あり、お菓子あり、飫肥天あり、イセエビもいましたね。イントネーションからおそらく県外と思われる人たちが買い求めていました。私も試食を勧められ、その場でお菓子を買ってしまいました。

家人を送ってエレベーターに乗ると、3人の若いお嬢さんのひとりが「私、また買いに行く」と言って、ドアが開くと会場に小走りで向かっていきました。宮崎ブームは続いています。昭和30年代から40年代にかけて訪れた「宮崎新婚ブーム」もこんなににぎわっていたのでしょうか。活力を感じました。

その新婚ブームの象徴でもあった日南海岸の波状岩の呼び名について県は、観光PRに関しては「鬼の洗濯板」に統一することにしました。「鬼の洗濯岩」とも呼ばれ、パンフレットなどで呼び名が混在するため、県は「呼称統一は難しいが、観光客誘致については『鬼の洗濯板』で対応していきたい」としています。

私はずっと「鬼の洗濯岩」と思っていましたが実はどちらも通称なんですね。統一された奇岩の呼称がどこまで板に付くかは分かりませんが「平成の宮崎ブーム」は宮崎観光に、岩のように磐石な礎を築いてもらいたいものです。

時々思うのです。小泉純一郎元首相には窮地に生まれるツキがあったのではないか。イラク自衛隊派遣にしても郵政民営化を掲げた総選挙にしても。それは自分で切り開いての結果だったと指摘を受けるかもしれません。運も実力のうち、と。

安倍晋三前首相にはそのツキに恵まれていなかったように思えてなりません。改正教育基本法や改正国家公務員法などを成立させましたが、指名した閣僚のカネをめぐっての不祥事、自殺、失言があまりにも相次ぎ、その対応に非難が集中しました。

福田康夫首相が誕生した昨日は「中秋の名月」。宮崎市内でも夜遅い時間に雲の合間に「名月」が浮かびました。満月より2日前の十三夜ですが、その月の光は味わいあるものでした。果たして福田首相の心にはどう映ったのでしょう。

「月光」といえばベートーベンの三大ピアノソナタのひとつです。その旋律に、月明かりが小窓に差し込んでくる情景が浮かびそうですが、実はベートーベンが付けたタイトルではありません。それゆえ「月の光を思い浮かべて弾くことはありません」とあるピアニストが語っていました。

「背水の陣内閣」と名付けた福田首相にツキのことを考えている時間はきっとないでしょう。それでもあえて言わせていただくなら、「月光」を弾くピアニストのように「ツキ」を考えず、国民生活を豊かにするメロディーを奏でてほしい。月は英語で「無運」と言いますから。

白ごはんに納豆と生卵をかけてぱくぱく。一日の始まりです。好き嫌いはさまざまでしょうが、私はおいしくいただいています。きっと米も納豆も卵も生産者が愛情を込めて作っているからだと思うのです。そういえば以前、収穫を目前にした生産者が「毎朝、田んぼに着いたら『おはよう』って声を掛けるとよ。稲穂にはそれが聞こえてる」と言っていました。

今年の本県産早期水稲は68・8%が規格外米で、過去最悪の結果となりました。九州農政局が先月31日現在で発表した数字です。愛情注いで作った米。生産者が経済的にも、精神的にも受けたダメージのものすごさを目の当たりにした気がしました。

長雨による日照不足や台風襲来による強風などが不作の要因のようです。第1次産業は宮崎の基幹産業であり、米は多くの人が主食としていると思います。県に対して支援、救済措置を求める声も高まっています。

「関係機関、市町村と互いに何ができるのかをまず出し合って、今後の特例措置を検討していかなければならない」。東国原知事は12日の県議会代表質問で答えました。17日の自身のブログでは県立宮崎農業高校を訪れたことに触れ、「農業高校の生徒諸君には、出来れば、是非、『夢』『希望』として、宮崎の農業を守って欲しい」と記しています。

ひとごとではなく、生きていくための食料を生産する農業を守っていかなければ、と噛みしめています。

テムズ川のロングショットから始まるヒチコック監督の「フレンジー」は、オックスフォード警部がネクタイを使って絞殺する連続殺人事件の真犯人を突き止める映画です。物騒な内容ですが、ワイシャツにきゅっとネクタイを締め上げると、この映画を思い出すことがあります。けさもそうでした。久々のネクタイにスーツ姿の出勤でしたから。

この夏、クールビズスタイルを通してみました。半袖にノーネクタイ。はじめは照れくささと、会う人に失礼ではないかという申し訳なさが入り混じっていましたが、慣れてくると上着を着ることさえうっとうしくなりました。このクールビズも浸透したようで、県内でも、自治体には見られるようですが、アロハシャツを着用する企業も出てきました。

3カ月ぶりのスーツにネクタイは気が引き締まった感じがします。しかしながら宮崎はまだ30度を超える暑い日が続いています。きょうも宮崎市の最高気温は30・7度。ネクタイを締めていると、じわじわと汗が長袖シャツの襟に染み、クールビズ効果を思い知らされました。

気象庁の週間天気予報によると、最高気温は30度前後の日がまだ続くようです。明日はまたノーネクタイで出勤しましょうか。あっ、警部から呼び止められるかもしれません。「ネクタイをお忘れですよ」と。

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